最初に申し上げます。この作品の魅力は「キャラクター」です。
「キャラクターが勝手に動く」という表現がありますが、まさにそれです。箱庭ゲームの登場人物であるはずの彼ら彼女らが、作者様のあまりの愛情に生命を吹き込まれたかのようで、それぞれ思惑を持って懸命に生きています。
そのように生きている人々ですから、迷いもすれば道を違えることも、誰かの助けで立ち直ることもあり、それらが織り成されて辿り着く幸せな結末は必見です。
そしてとても個人的なことを言えば・・・終盤現れて物語を引っ掻き回すぶっ飛んだキャラ、これが一番のお気に入りです。是非ともご一読ください。
とある女性が亡くなる場面から始まる序章は、繊細かつ詳細な筆致でファンタジーな世界観が描かれ、しかし話が進むと一転して、現代へと移ります。
そして主人公はそのGAMEの世界へと転移し、様々なことを学んで成長していくという物語ですが……。
最初も書いたように世界観の描写が素晴らしく、読んでいるとGAMEの世界であるということを思わず忘れてしまいます。
そして次第に明らかになっていく、主人公が転移した意味。理由。
広げられた風呂敷きも綺麗にまとめあげられていき、どんどん面白くなっていきます。
1話1話も長くないので、気軽に読み進めていけると思います。
重厚なファンタジー小説として、おすすめです!!
タイトル通り、主人公がGAMEの世界へ転移するお話ですが、大抵こういうのは初めにパパッと説明しちゃって、いきなり別世界にすっ飛んでいくパターンが常です。
ですが、こちらの作品は違いました。まずGAMEの世界観や設定をリアルに描写し、重厚なファンタジーの世界へと読者を誘っていきます。
そして、なんと成り代わるのは自分が作ったキャラではなく――その娘。
自分の分身である偉大な英雄ではなく、それを受け継ぎし者――ヒロインとして、GAMEの世界へと降り立ちます。
果たしてヒロインは限られた時間の中で、どのような出会いと選択をしていくのか?
一風変わったファンタジー世界に浸りたい方はおすすめです!