七ツ闇という街にあるという、『七ツ闇クリニック』。そのクリニックで働く山吹先生は誰にでも慕われる人柄だというが……。
クリニックに『物の怪』が出るということで、ちょっとホラー要素があるのかなと思っていたのですが、実際読み通してみると「妖怪ウォッチ」のようなほのぼのとした妖怪物で、万人におススメできる良質な短編に仕上がっています。
オチもお見事でしたっ!
しかし山吹先生はすごい。人間はおろか妖怪まで治療できちゃうんですからね。こんなブラックジャックもびっくりの山吹先生を皆さまも是非、応援しましょう(⌒∇⌒)
お話はまだまだ続くはず――!?
とある田舎で開業している診療所の先生。医師としてはとても真面目なのですが、年中資金繰りに頭を悩ませています。
医は仁術と心得ており、診療所へやってくる患者はきっちりと診ます。それがたとえ妖怪であろうと……
相棒のクロコちゃんがキーマンですね。何やら人知れずやってくれそう。そしてドクターの山吹先生。真面目な分、思い込んだら一直線ってタイプで、脇目もふらずに突っ走ります。二人の掛け合いがこの物語の見どころでしょうか。
漫画家坂田靖子の描く世界が目に浮びました。決してごり押しをしない、優しい線でなぞられた風景や登場人物たち。
妖怪だってバトルばかりが出番ではありません。病を患う時だってあるでしょう。そんな病怪(?)たちをどうやって治療していくのか。完結となっておりますが、むしろここから新しい妖怪物語が始まるなんて期待が膨らんでいきます。
各話読み終えるたびにほっこりと素敵な読後感の残る、一風変わった妖怪モノです。
普段はおやつ目当ての子供たちくらいしか寄りつかない町の診療所には、ちょっと腹黒いけどとことん人の好い山吹先生が暮らしています。
毎月の支払いにも困るような懐事情のクリニックですが、先生を慕うクロコちゃんという謎の少女が、影に日向に先生を支えてクリニックの経済的危機を救います。
この可愛らしいクロコちゃん、実は裏の顔を持っていて…。
と、これだけ書くとどこにもモノノ怪が出てこないようなお話に見えますが、しっかり毎回お話に絡んでくるのが愛嬌たっぷりの作者様オリジナル妖怪たちなのです。
このモノノ怪たちのキャラクターがとにかくユーモアたっぷりで、個性豊か!おどろおどろしさはなく、人間味溢れているのです。
モノノ怪たちが起こすいろいろな事件を山吹先生やクロコがどう解決するのか、一話完結で楽しめます。
どなたが読んでもほっこり楽しいお話に引き込まれること請け合い。
閑古鳥の泣く七ツ闇クリニックをあなたも覗いてみませんか?