電気ブランも浅草の神谷バーも忍ぶ川も、妙に懐かしさの込みあげる単語に惹かれて読み進めると、なんともまあ初々しい若いカップルの素敵なシーンを目撃させてもらって、心の保養です。
恋愛・ラブコメは、どうしてもいつも女性目線で読んでしまいがちだけれど、なるほど、男の子ってこんな風に恋をして、相手を思って、見えないところでいろんな苦労をしているんだなあ、と微笑ましくなりました。
作者の細やかな優しさが文章にも滲み出ていて、何度も読み返して余韻に浸りました。
もしあの酔っ払いおじさんが登場しなかったら、この二人はどうなっていたんだろう? と思ったけれど、きっと神様がゴールインまで無事に見守ってくれただろから大丈夫に違いない、と思えました。
既にロボットものやアクションもので読者選考を毎回突破していらした作家さんなので、この作品がランキング初登場とは信じられない思いですが、どんなジャンルでも人気を博すのはさすがです。これからもいろんなお話を読ませて頂けたらと思います。