NHKでドラマ化されると聞いて、試しに読んでみたのですが、一気に読み終わりました。
私自身はゲイですが、大学生の頃に、20歳上の既婚者と付き合ったり、結婚と子供を夢見ていたこともあって、主人公の純君の気持ちに共感することが多かったです。
ただ、私は残念ながら、三浦さんとは
出会わなかったし、幼馴染の亮平も、ケイトさんのような人はいず、ずっと自分の本性を隠して、いろいろ誤魔化しつつ、自分と折り合いをつけながら生きています。
だからこそ、この小説の登場人物が不器用だけど、感情をぶつけ合い、時には、すれ違い、でも、わかり合おうとする姿に涙したし、高校という青春の真っ只中の出会いと別れの中でそれぞれが成長した物語に感動を覚えたんです。
今はLGBTという括りで、世の中は、わかった風な論調も多いですが、私は、ゲイを嫌悪する小野の反応の方がリアルだし、学校内の様子も起こりうるんだろうなと感じました。だからこそ、そんな小野でさえ、あの終業式を経て変わったことに、感慨を覚えました。
この物語は腐女子とゲイを描いていますが、人は出会いによって変わるんだという普遍的な物語だと思います。また、時々読み返そうと思います。描いてくださってありがとうございました。
まず拍手を送りたいです、素晴らしい作品です。
次に感謝を伝えたいです、読んで良かった、出会えて良かったと思いました。
私は、もう20年以上前になりますが、某文学系大学の文芸部に在籍していました。伝統的に、所謂「純文学」しか認めないという部であった為、私もそんな作品ばかり、読んだり書いたりしていました。最近は頭もだんだんくたびれて来てオッサン化が進み、戦国時代物の時代小説ばかり読んで、オッサン的なウンチクを深めていました。2週間程前「カクヨム」を知ってログインし、「今の文芸の世界はこんなことになっているのか?!」といろんな意味で衝撃を受け、そしてこの作品に出会いました。
評価が高かったので、ヒマつぶしに何となく読み始めました。
最初、「サブカル学園モノかあ」、みたいな軽めの感想を抱き、
次に、「あれ?ひょっとしてちょっとヤバイやつ?」、と警戒し、
そのうち、上から目線の感想なんか抱けないくらい物語に引き込まれ、
最後の方は、ちょっと半泣きになりました。
世の中の荒波に少なからず揉まれて来た海千山千の五十前のオッサンを半泣きにさせる力が!この作品にはあります。
あの、秘密を声高に言いふらされる場面では、今まで他の小説では味わったことが無いほどの残酷さと痛みを感じました。
教室での、あの場面では、単なる読者に過ぎない私も一緒に、飛び降りて楽になりたい、という気持ちを味わいました。
この物語における「知性」の代弁者、ミスター・ファーレンハイトの自宅を訪れる場面では、驚愕するのと同時に、同氏の思念・情念の厚みに押し潰される感覚を覚えました。しかし驚愕の真実!本当に驚きました、ええーっ!と思わず声が出て、頭を抱えてしまいました。
近年私が読んだすべての小説の中で、間違いなく五指には入る傑作です。
他の作品もこれから読ませて頂きます。
これからも書き続けて、楽しませて下さい。
ありがとうございます。
同性愛者と聞くと変に身構える人がいるけど、基本的にノンケには手を出さないのが普通だとか。ただ身近に同族がいると、とりあえず性欲解消のためのパートナーになりがちなところもあると、同性愛者の知人に聞きました。
それでも彼ら(彼女ら)は相手が誰でもいいわけでなく、異性愛者と同じ価値観の元で恋愛している。
ただその対象が同性なだけ。
(ゲイorビアン)バーで気の合う相手と交流して恋仲になったり、マッチングアプリで慎重に価値観の合う相手探したり、コミュニティの会合や街中でたまたま知り合った同族と仲を深めたり、最初の出会いが友人の紹介だったり。
これらの出会い方とその後の進展は、異性愛者も同様なはず。ただ価値観の合うだけの友人になるのか、仲を深めて恋人同士になるのか、性欲の捌け口として身体だけの関係になるのかも、異性愛者と変わらない関係の築き方なんですよね。
そんなリアルな同性愛者たちの恋愛模様が読める作品がこちら!
あとちょっとした愚痴ですが……僕は日々腐男子としてひっそりと購読活動しているのですけど、『腐男子=ゲイ』だと思い込んでる男性が世の中に多すぎ。僕が腐男子だと言うと、『ゲイの方ですか?』と毎回聞き返されるのにはウンザリです。
僕はね、世間から見て障害の多い恋愛物語を読むのが好きなだけで、決してゲイではありません。
秘密の恋の関係や不倫もの近親もの、寝取られざまぁ作品などを好んで読む読者たちと一緒です。その辺の偏見も少しは解消できる内容でした。
たまたまコミカライズ版を購入してこの作品を知りました。書籍版も買おうか迷っていたら、腐仲間にWeb版もあると教えてもらったんですよ。
こりゃ布教のために書籍版も買わないとね!
BL物を初めて読みました。
結婚の観点ではドン詰まり感があって、それが山場となり、自分の日常生活に本の少しの想像力を加えると、何となく物語を創作できちゃうんじゃなかろうか。
最初は舐めて読んでました。
でも、私にゃ無理。繊細で奥深い。登場人物の数は僅かなのに、世界、いや社会を語っているんです。
でも、読み難くはないです。等身大に近い登場人物の織りなす心の機微が眩しい。惹き込まれます。
若い頃、「ホモは良いけど、レズは止めて欲しい」と思ってました。理由は浅はかで、恋愛の競争率に少しでも下がって欲しいからです。そんなの本人の魅力次第であって、何の意味も無いんですが、そう思ってました。
今は、勃たない事の深刻さも分かりますし、最後の味方が家族だとの自覚もあって、主人公には共感する部分が大です。
でも、新宿2丁目は未経験です。ゲイの方は優しいとの先入観が私にあって、隣の歌舞伎町よりも遥かに安全だと思い込んでますが、盛場の浮かれが苦手なのと、金銭的余裕が無い事が理由で、キャバクラにも行った事がありません。
居酒屋止まりの小市民ですが、そんな読者でも十分に満足できる作品です。
(ネタバレ含)
まず初めに言っておくと、誰もくっつきません。
それでもこれは、恋と愛について真正面から向き合った、真摯な青春小説だと思います。
同性愛者の苦しみを描き、それとあわせて腐女子を描き、決して腐女子を現実の同性愛者をおとしめる存在としては描かず。
三浦さんが学校で演説するところが、最高のクライマックスシーンだと思います。
ネット上の友人、「ファーレンハイト」のお家に行くシーンも印象的でした。
色々大切なことを織り込んでいるのですが、軽くサクッと読めてしまうのがよい。
テーマをしぼって、あくまで主人公視点で通して、丁寧に描いているからこそと思います。
メディアミックス展開になったとのことですが、納得のクオリティですね。
衝撃を受けました。
大勢の方がレビューを書かれていますし今更このちっぽけなレビューを見るよりも読んでみろと言いたいほどに、衝撃を受けました。
冒頭から惹かれざるを得ない描写、登場人物たちのすれ違い、そして最後に心が一つになる。ストーリー構成が王道を踏まえつつも、真摯に今を生きるのに必死なLGBTの姿を描き出している。
誰もが必死で人を愛しているのに、どうしても、理屈なしで届かないという想いが痛いほど伝わります。
この作品に出会えたことで、自分はどう生きるべきかに対する考えが深まりました。できるだけ世界を簡単にしたくない、そう願っています。
最後に。それでも私は百合星に生きますまる
この作品は私には大きなチャレンジでした。私は男性で、ホモでもなく当然腐女子でもない。いわゆる多数派ということになります。またそういう特徴を持つ方もあまり身近ではありません。そのため、きっと一部の人には面白いんだろうけど私にはわからないだろうな、と漠然と思っていました。
しかし読んでみると、主人公とヒロインの描写が丁寧で、すんなり話についていけました。なるほど私にこういう性質があればこういう悩みが出てくるだろうな、と納得感もありました。そして、この作品は1つの大きな社会への問題提起なのだと思うに至りました。
多数派の少数派に対する蔑視というのは基本的には生来の性分に根ざしたものであり、同性愛者であっても例外ではないと思います。だからこそ人間は発達した大脳新皮質を活かして動物的な部分を律するべきだ、という倫理を持つべきであるとなります。
しかし社会に十分なルールが確立されていない場合、どう律するのが良いのか、は個人の裁量に任されます。法律には抽象的なことしか書いてないですし、学校ではあまり教えてくれないし。
この作品はそうした問題が顕在化するとどうなるのか、という思考実験であり、かつドラマとしての起伏もかなりはっきり用意されています。この両立はかなり難しかったのではないでしょうか。
同性愛というテーマに対して経験的に全くなじみがない私にとって、本作は単にドラマとして感動できただけでなく、同性愛という世界に対する非常に良い入門書でもありました。古いキャッチですが、面白くて為になる、と感じました。
単に同性愛をテーマにした作品は色々目にはしましたが、そうした世界を異性愛者の目線にまで降りて説明してくれたなと感じたのは初めてでした。
作者様へ深く感謝します。また、異性愛者を含むより多くの方へ読んでいただきたいと思います。
——言葉にすることができない。
どうしても。
どこがよかった、ここがよかった——そう、シンプルに説明できる作品ではありません。
ただ——ものすごい威力を持ったボールを全身で受け止めた時の、あの感覚が残っています。
胸も、腕も、足の指先まで。全身が痺れるような、あの感覚。
そして——何も説明ができないまま、涙が溢れます。
ひとを愛するとは、何か。
この作品には、そんなこの上なく難しい問いかけと、私達が目を逸らしてはいけないメッセージが、ぎっしりと詰まっています。
一人でも多くの人に、読んでほしい。
LGBTについて、知っている人、知らない人。
苦しい思いを抱える人たちを応援したい人、敬遠してしまう人。
全ての人に、読んでほしい。そして、読まれなければいけない作品だと思います。
この作品が、本になって、全国の書店に並んで。
社会の現状を多くの人が知り、深く見つめるきっかけになったら——
この国が、少しずつでも、多様な愛に寛容な国に生まれ変わっていくならば。
これ以上、私にとって嬉しいことはない。
そんなことを、ひたすら思い、願います。
ヘテロも、いろんな個性を持った人達が出て来ます。人によっては、「それはちょっと…」と思う展開もありますが、私は主人公が納得しているので良しとしました。
ケイトさんが格好良かったです。
セクシュアルマイノリティも、いろんな人達が描かれているなと思いました。
タイトルに引っ掛かりを覚えた方達も、読んでいくと、何故、ゲイではなく、ホモになっているのか?分かります。
章タイトルが凝ってます。「英語!?洋楽!?分からない!」大丈夫です。QUEENを知らなくても、楽しめると思います。
※書籍版に敬意を表して、評価は★2とさせて頂きます。
同性愛者と腐女子っていうネットの人からしたら割と(ネタ的な意味で)身近な題材を、ただの1要素やギャグとしてではなくしっかりと描写していて凄く読み応えがある作品。
ネット小説やライトノベル的では無いが、しかしそれでもインパクトや惹きつけられる魅力があって、いわゆる一般文芸を読んだことの無い人がネット小説/ライトノベルからそちらを読み始めよう! としている場合の入門としてお勧めできるレベル。(そういう人がいるかはさておき)
この作品の魅力はその文章やキャラクター、展開、伏線回収全てに至るまで完成されているところにあるけれど、それ以上に、深く考えさせられる作品でありながら面白くサクッと読むこともできる点にあると私は思う。
たしかに同性愛者っていうテーマで、少年の葛藤などを書いているわけだから、ヘテロセクシャルの私にも考えさせらるところはいくつもあるし、実際そういった思考が読んでるうちに溢れてくる。
しかし、啓蒙的なものだったり、薄っぺらい教科書的なものでは無く、ひとつの恋愛小説として、青春小説として完成度が高い事が何よりも魅力的なのだ。
一度読み始めたら自然にスクロールして次話をクリックしているはずなので、十分読み切れる時間を確保してから読むことをオススメする。