出会いが人を変える、今の時代の新たな青春小説

NHKでドラマ化されると聞いて、試しに読んでみたのですが、一気に読み終わりました。
私自身はゲイですが、大学生の頃に、20歳上の既婚者と付き合ったり、結婚と子供を夢見ていたこともあって、主人公の純君の気持ちに共感することが多かったです。
ただ、私は残念ながら、三浦さんとは
出会わなかったし、幼馴染の亮平も、ケイトさんのような人はいず、ずっと自分の本性を隠して、いろいろ誤魔化しつつ、自分と折り合いをつけながら生きています。
だからこそ、この小説の登場人物が不器用だけど、感情をぶつけ合い、時には、すれ違い、でも、わかり合おうとする姿に涙したし、高校という青春の真っ只中の出会いと別れの中でそれぞれが成長した物語に感動を覚えたんです。
今はLGBTという括りで、世の中は、わかった風な論調も多いですが、私は、ゲイを嫌悪する小野の反応の方がリアルだし、学校内の様子も起こりうるんだろうなと感じました。だからこそ、そんな小野でさえ、あの終業式を経て変わったことに、感慨を覚えました。
この物語は腐女子とゲイを描いていますが、人は出会いによって変わるんだという普遍的な物語だと思います。また、時々読み返そうと思います。描いてくださってありがとうございました。