ただ、読んでほしい。一人でも、多くの人に。

——言葉にすることができない。
どうしても。
どこがよかった、ここがよかった——そう、シンプルに説明できる作品ではありません。

ただ——ものすごい威力を持ったボールを全身で受け止めた時の、あの感覚が残っています。
胸も、腕も、足の指先まで。全身が痺れるような、あの感覚。

そして——何も説明ができないまま、涙が溢れます。

ひとを愛するとは、何か。
この作品には、そんなこの上なく難しい問いかけと、私達が目を逸らしてはいけないメッセージが、ぎっしりと詰まっています。

一人でも多くの人に、読んでほしい。
LGBTについて、知っている人、知らない人。
苦しい思いを抱える人たちを応援したい人、敬遠してしまう人。
全ての人に、読んでほしい。そして、読まれなければいけない作品だと思います。

この作品が、本になって、全国の書店に並んで。
社会の現状を多くの人が知り、深く見つめるきっかけになったら——
この国が、少しずつでも、多様な愛に寛容な国に生まれ変わっていくならば。
これ以上、私にとって嬉しいことはない。

そんなことを、ひたすら思い、願います。

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