隔たるものと隔てるもの

無料で公開されている文章に、こんなに心を動かされることになるとは思っていなかった。隔たっているのは誰と誰で、それを隔てているのは何なんだろう。

思い返せば中学生だった頃、あんなにも同性同士でくっつき合っていた時代はなかった。男子はこの話にあるように、猫とか子犬みたいにごろごろ転げまわって、女子は女子で、指先を絡め合ったり腕を組んでトイレに立ち会ったり、髪をすきあったり、あんなに他人と距離の近かった時代が他にあっただろうか。
そういう中にも、同性との距離のとり方に悩んでいた誰かはいたのかもしれない。純くんみたいな、あるいはケイトさんみたいな誰かはいたのかもしれない。そういうことに思い至りもしなかった自分の子供時代が嫌になる。
あの頃自分になにができたのか、これから何ができるのか、考えてみたけど、よくわからない。だけど考えるきっかけをこの作品は与えてくれたように思います。


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