言うなればチャイナ・ゴーストパンク、的な

 第一幕まで読了。
 作者の方の前作『インゴルヌカ』とも共通していますが、独自の世界観・文化体系の作り込みが尋常でなく細やかです。そして「都市」の描き方もやはり白眉。暗黒街・媽京の妖しい情景描写が読んでいて非常にそそりました。
 第一幕で主要登場人物と主人公が背負うマグガフィン的な物が出揃い、作品ストーリーの本番はこれからといったところ。けれど、始めと終わりを屈折した兄弟愛で繋いで無駄ない伏線回収で起伏をつけて、この第一幕だけでもまとまるある一つの物語として成立しており、充実した読後感でした。
 第二幕以降も期待大です。

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