恋という希望

狐の嫁入りには、恐いイメージがありました。
幼い頃、叔父が話して聞かせてくれた体験がもとです。
飲んだ夜。
どんなに家に帰ろうとしても帰ることが叶わず、身体を擦り傷だらけにして明け方ようやく帰ることができたんだと聞いた時、恐くてそれ以上細かい話を聞く気にはなれませんでした。
けれど、こんなお話だったなら私は前のめりになって聞き入ったことでしょう。
狐の化かしあいは、恋の駆け引き。
愛しくも素敵な罠にはまったのは、どちらでしょう。

続きが気になるけれど、これはここで終わっているからいいのでしょう。
あ、いや。やはり、気になる・・・むむむ。

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