第三者の視点がシュールなコミカルさに拍車をかける

対極を主題に置いているのかと思わせておいて、そうではなく、かと言って蔑ろにもしない巧みな文章に笑わせて戴きました。


読んでいる間中、次々と沸き起こる文章のどんちゃん騒ぎに翻弄され、森見登美彦氏の有頂天家族を読んでいた時に似た感覚に襲われる。

乱歩が火星の運河に載せた謝辞文の心境で書いたのではなかろうかと思うくらい荒唐無稽な話が進んで行き、それがまた収束すら見せずにラスト2行で回帰する様は、徒然なるままに想像力をフル回転させ、思いつくままに書いたのだろうなと伺える。

しかし、それがまた良い。

そうでなければならない。

最後になりましたが、弟の風貌、前述した乱歩作品の様に女性なのかもと当たりをつけていた事は秘密です。

その他のおすすめレビュー

悠木 柚さんの他のおすすめレビュー793