癒しの代償

 メイアは少し疲れていた。長い旅で疲れていた。

 するとそこに、ここぞとばかりに、治癒の得意な旅人が現れた。

「これはこれは、若いお嬢さん。あなたも旅の中途でしょうか。」

「えぇまぁそんなとこですが、どうも疲れが溜まってて。」

 すると男はちょいと念じて、メイアに癒しの魔法をかけた。

 なんとびっくりたちどころにメイアの疲れは癒え、ついでに視力も良くなった。

「すごい、これはすごい。あなた私と一緒に行きましょう?あなたの治癒は素晴らしい!」


「バカ言えそんなのごめんだよ。」

 男は顔をしかめて嫌がった。


 そこでメイアは頭に?を浮かべた。


「どうして?こんなに可愛い女の子と旅が出来るのが、どうしてそうも嫌がるの?」


 すると男ははっきり言った。


「治癒を使うと、俺が疲れるんだ!」


 男はさっさと行ってしまった。

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幻想喜劇 天邪鬼 @amano_jaku

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