この物語の主人公、戦えば強く、仕事もできるというのに、どうしてこうも?

 戦乱の時代。ふたつの大国は、凄惨な戦争に明け暮れていた。戦果は一進一退。
 自国の緊急時にもかかわらず、この物語の主人公は、倉庫番という閑職に、その身を置いていた。王立士官学校を次席で卒業した、優秀な人材だというのに。

 そんな主人公のもとに、主席の座を争った、かつての友が訪ねてくる。そこから、主人公の運命が変わる……。

「すべての輜重隊を指揮して、軍の胃袋を飢えさせないよう取り計らって欲しい……」

 拮抗する戦火の中、輸送網の整備のために、縦横無尽に動く主人公の姿は、凛々しく格好いい!
 ただ、女性に対して優柔不断すぎるのがいただけない。だから、苦労するのだろう。それはそれで、おもしろいのだが……。

 主人公と、副官として充てがわれた友の妹、そして、ほのかに想いを募らせていた町娘との関係はどうなるのか?
 戦記物として読んでも、とてもおもしろい物語だが、わたしは、俄然、ふたりのどちらを選ぶのかに興味が湧いた。そう……、どちらを選ぶのか?

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