大切な思いが連なり、積み重なり、やがて大きな物語となる

これは恋の物語ですが、もっと大きな物語でもあります。恋があり、嫉妬心があり、謎解きがあり、戦いがあり、ファンタジーのスパイスをきかせながら魅力的な物語になっているのです。
四獣神(青龍・白虎・玄武・朱雀)の力が存在する現代を、いびつになった未来をやり直すべく、主人公がなんども過去を行き来するストーリーなのですが、差しはさまれるギミックのおかげで混乱することなく、すっきりと読んでいくことができます。
個性的なキャラクターたちが次々に登場し、物語は広がりと奥行を見せていき、重厚だけど軽やかに物語は進んでいきます。もちろん文章も読みやすく、構成がすっきりしていて、混乱することがありません。
物語が進むにつれて深まる謎、その種明かしがされた時の爽快感、魅力的なキャラクターの造形、そして訪れる静かでさわやかな読後感、とにかく物語の魅力がいっぱいに詰まっています。
ぜひ読んで見て欲しい作品です