見るな、知るな、語るな――――その“紅”に触れてはいけない

 こっっっっっっっっっっっっってりした伝奇ホラーです。
 現代伝奇だったら主人公が死を視る魔眼に覚醒して悪い奴らをバッタバッタ切り倒すのですがこれはあくまでホラー物。そんな展開は有りません。
 ただ、奈落へ続く坂道を無限に転がり続けるだけの何処にでも居る普通の善人の悲劇がそこに在るだけです。気味の悪さ、ざわつく不快感、ホラー好きならニヤリとさせられる描写。
 恐怖に震える指をマウスへ伸ばし、物語を読み進めた先に有るものが何か、貴方も確かめてみませんか?


2017/02/01 追記
 もう最終回を迎えたので、全体を踏まえた紹介も。
 幸せなもの、優れたものが奈落に落ちることこそが悲劇の本懐です。この作品はその王道から離れず、まっすぐに奈落とその先へと向かう姿を見せてくれることでしょう。

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