本物の恐怖は読後に訪れる……
- ★★★ Excellent!!!
夜中に一人で暗がりで読み、ゾクリと背筋が寒くなる……それがホラーの醍醐味だとぼくは思っていました。しかし、これを読んで、ぼくはその考えを改めました。ホラーとはなんであるのかを考えさせられたのです。
閉鎖的な集落、そこに根付いた伝承、気味の悪い登場人物、謎を含ませた村の人々。ここはホラー王道です。しかし、見せ方、えぐり方が上手かった。
謎の見せ方、そのほどき方。感嘆の声を上げたのは、ある電話の台詞でした。
ここでそれやりますか!?
と唸りました。
正直、ぼくはこの作品を読んで作品自体の持つ恐ろしいエネルギーに背筋を寒くしました。押し寄せる熱の波に完全に飲まれ、読後は呆けました。
本当の恐怖は読後に訪れる……その意味は読んだ人のみしか分からない至上の旨味でもあります。
さぁ、血眸になって探してください、真の恐怖を。あなたがこの闇の中で、何を見、何を聞いたとして、正しくあなたの中に在り続けるのか……もう、すでにそれは始まっていますよ。