我々がするべきことは目を閉じることじゃない。見開いて真実を知ることだ。

 まず、何かこれからとんでもないことが起きそうだという予感をにおわせるタイトルが素晴らしい。これだけでぞくぞくしますね。


 作中では原爆や原発などについて語られており、その知識量に圧倒されます。
 3月11日が来ると毎年ここぞとばかりに黙祷を捧げたがる人たちが現れますが、物書きの端くれならば眼を閉じたりせず、現状を正しく認識するためにしっかりと見開いて、この作品を読んでほしいなと思います。

 もちろん祈ることが悪いことだとは言いませんが……。

 こういう注釈付きのレビューしかできない自分がもどかしいです。
 Web上ですらすでに表現の自由は存在しないのでしょうか。
 この作品は、作中人物の手記というかたちをとっており、もはや紙のうえにしか自由は存在しないということを暗に主張しているようにも見受けられます(※たぶん考え過ぎだと注釈をつけておく)。


 これほどうまく事が運ぶのかは疑問ですが、何だかできそうな説得力があります。それはやはり膨大な知識に裏付けされた文章があってのことでしょう。
 現実では、やってみないとわからないですし、今後真似する予定もないので確認はできません。ただ、最終的な成否を分ける不確定要素があるとすれば、それは人の心にあるのでしょう。他人の心の裡はおろか、自分の気持ちでさえきちんと明確に表せる者は少ないはずです。


 犯罪は許されるべき行為ではありません。
 ですが、ときにダークヒーロー的な存在が現れ、警鐘を鳴らしていく。そんな世間に風穴を開ける爽快感は誰にも否定できないでしょう。


 Mr.Childrenの『マシンガンをぶっ放せ』を聴きながら読むことをおすすめします。

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