残された思い出が、未来への一歩になる。

少子化の世の中では東京でも廃校というのは珍しくない。過疎が進む地域では推して知るべし。

廃校になった小学校の卒業生たちが、校舎の取り壊しに際して、集まってきて――というところから始まる物語。
最初、久しぶりに出会ったのだろう周囲の人々に対し刺々しくて、頑なな、主人公が好きになれなくて辛かった。
ところが。
最後の3話ですごく好きになれた。
思い出と今が混ざった結果、彼女の脆いからこそ頑なになっていた言動が溶かされていく。この様をどうか見ていただきたい。


もう一つ、個人的に好きなところを。
玄界灘に浮かぶ島が舞台なのでしょうか。
書き言葉で方言を正確に書くのはとても難しいと思うのですが、こんなに表現されているなんて、と嬉しくて。
「ぎばれーっ!」
この言葉の優しさが、好きです。

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