これはミステリーなんて言葉でもSFなんて言葉でも片付けられない。
名づけるならば……「なんじゃこりゃ!」(名付けられない)
普通にミステリーだと思って読み進めていくうちに、「いや、ちょっと待てよ、これ、SFじゃないの?」「え、何この展開」「ちょっと、そっち行っちゃうの?」「マジか、そりゃねーだろ!」「うわぁぁぁ!スケールでかすぎ!」「神か?神なのか?」「ぎゃああ!」「ひょえええ」と語彙力が崩壊していく自分に気付きます。
とにかくスケールがデカい。深い。
怒涛の展開に目が離せない。
そしてラストに向けての勢いはもう、ただただ圧巻というほかない。
読むしかないです!読んで!
*このおバカ丸出しのレビューをカクヨム運営公式レビューの後に書いちゃう私は、ヴィーヴルの目とまでは言わんが、空気読める脳を持つべきかもしれません!
ミステリーというのは、途中経過がどんなに面白くても結末次第で読者の評価がガラリと変わってしまう、シンプルでありながら難しいジャンル。
本作はそんなミステリーの面白さがギュッと凝縮された作品です。
生徒会長からの依頼で、学校の女子生徒が襲われた事件を調べることになった主人公。
だがその数日後、調査を依頼してきた生徒会長が学校の屋上から飛び降りてしまいます。
そして亡くなった会長から主人公に一通の手紙が……。
これをきっかけに物語は急加速、次々に起こる急展開の数々。
中でも事件に隠されていたある異常な要素が判明してからの展開は圧巻!
最初は普通の学園ミステリーのように見える本作ですが、読み進むにつれてどんどんその姿を変えていき、最終的に思いもよらない結末へ読者を導きます。
(必読!カクヨムで見つけたおすすめ5作品/文=柿崎 憲)
とても読みやすい文章でありながらも、緻密な構成、衝撃の展開の連続と読書の楽しみを存分に味わえる一作となっております。
主人公「宇佐美」君のクラスメイトが何者かに襲われ、頭部を怪我し意識不明の重体になるところから物語は幕を開けます。成り行きとはいえ事件の中心人物となった彼は、自ら事件の真相に迫ります。
とミステリー風味で始まるのですが、次々とキャラクターが登場し、また姿を消し、事件はだんだんと不穏で不気味な方向へと動き出します。このあたりの構成がなんとも巧みで、次々と事件と推理が様相を変えていきます。その根底に流れる不吉な影、彼がそこに迫っていくにつれ、誰もが想像だにしなかった真相が現れてきます。
もちろんネタバレになるので書きませんが、その全てがとても論理的に描かれていき、驚愕のラストへと進んでいきます。
ぜひじっくりと楽しんでもらいたい作品。
というかぜひ、もっともっとたくさんの人に楽しんでほしい作品です!
少しずつ読み進めているんですけど、すごい勉強されたんじゃなかろうかと思わずにはいられませんでした。
知識量が半端なく、下準備もたくさんされたのでしょう。文章から伝わってきます。見当違いだったらすみません……。
しかも、多分これは伏線?という部分がちょくちょく見受けられ、後半の期待度をさらに高めてくれている。
最初こそは一話に込められた文字数が多く、これ読むの結構時間かかりそうだなぁと思ったんですが、テンポがいいおかげでダレることなく読み終えてしまう。
この作品はもっと評価されてもいいと思います!
ということで、星みっつです!!
完結しているので、後半の怒涛の展開に期待しています!
青春SFミステリーもの。
序盤は普通に青春ミステリーですが、読み進めるにつれてSF要素が見え隠れし、後半は完全にSF作品でしたね。で、このSF要素がまた面白い解釈のもと緻密に作りこまれた設定であり、非常に読み応えがあって楽しみながら読むことができました。いやー素晴らしかったです。
そしてSF設定だけではなく、学園青春ものとしてもとてもよかったです。メインの少年少女の関係性が物語の本筋とリンクしており、読み終わったあとに心地よい読後感が得られる作品でした。
久々に私のストライクゾーンに入ってきた作品。個人的に文句なしの星三つです! 面白かったです。ごちそうさまでした!
ジャンルという仕切りは検索には便利だけれど、時に無粋となるもの。面白ければ良いじゃない、と思うわけですが。しかし、ミステリーの河を下っていたはずなのに、一体いつのまにこんな混沌とした沼地に踏み込んでいたのか、まったくわけがわかりません。
第五章からエピローグにかけて、語弊を承知で申し上げれば、最高に気持ちが悪かったです。いやいや待ってよあなたたちおかしいよ、と登場人物につっこみをいれながらも読み進めてしまう、この悪魔的な魅力よ。あるいは……作者自身があの目を持ち、読者を読んでいるのか。だとするならば、これは神の御業、福音なのかもしれません。なんて。
ともかく星三つ以外の選択肢がありませんでした。
クラスメイトが入院したらしい。
級長である「俺」は、
担任から彼女のお見舞いを頼まれた。
「俺」は幼なじみと共に、病院を訪ねる。
そこから次第に明らかになる、事件。
髪の長い、おとなしい少女が狙われる強姦。
最初は「儀式」と呼ばれた、頭の傷。
二重の犯罪の意味は? 目的は?
ただの刑事事件ではない。
単なるサスペンスではない。
頼れる生徒会長、攻撃的な体育教師。
役者が増える、謎が絡まる。
元気で明るい副級長の女子生徒、
友人のつてで知り得た天才中学生、
データ採取主義者の養護教諭、
軍隊長のようで頭脳明晰の担任。
過去の事件の鍵を握るのは誰?
彼女の果たす役割は何?
脳科学、精神外科の歴史的知識に基づいて、
戦慄をもたらすSF的ホラーは緻密に織り成される。
難しい。
その概念を理解することだけでも難しく、
その理想を呑み込んで受け入れることは至難。
『ヴィーヴルの目』が開かれるならば、
むしろこの恐怖は昇華されるのか。
わからない。
触れたことのない知識世界に触れて、
脳をぐしゃぐしゃに掻き回される感覚。
もっと知りたくなってゾクゾクする。
すごく好き。