薬玉に喩えた最初の理由は、読んでいて笑えるから。面白い。どの様に面白いか?は、読んでみてのお愉しみ。
微笑ましく笑ったり、クスリと笑ったり、ガハハと笑ったり。エピソードを重ねる毎に作者も肩の力を抜いたようで、ガハハ路線の笑いが増える。
でも、底辺にはシンミリしたものが流れている。
作者は、対人関係に奥手な事を卑下している風だが、二十代前半で悟ったように達観する必要は無く、きっと素晴らしい出会いが作品タイトルの如くに待ってますよ。
読書の世界に逃げ込むのは、私の様に片足を棺桶に突っ込んでからでも再開できますから。
まぁ、そんな感じで、薬にもなりそうなエッセイです。
連載中ですがレビューを(腑におちない、まで読みました)。
なぜかよくわかりませんが胸に迫るエッセイです。ダークサイドに落ちかけている日常と、ほろりとする話、ホラーな話に、驚愕の遭遇体験と、全方向に話が広がっています。
なにより悲壮なのは作者がこれらを求めているわけでもないのに降りかかっているというところでしょう。このあたり半泣き、半笑いの何とも言えない雰囲気を醸し出してくれています。読んでいるこちらも笑っていいものやら泣いていいものやら、と微妙な心理状態に置き去りにしてくれます。
それでも作者の本を愛する気持ちがあり、祖父母への愛情があり、いわゆる世間とのすれ違いに孤高に立ち向かう姿だったりが、不思議な感動となって胸に残ります(ちょっと大げさですが…)。
本当は物語を読みに来たのですが、先にこちらにつかまりました。しっかりコメディです。笑い飛ばすのが礼儀かもしれませんね。