知ってる?音楽って楽しいんだよ!

思わず執筆の手を止めて読みふけってしまいました!
まずは続きを読ませるその構成に拍手を(パチパチ
自分のテクニックに自覚のない少女、美里(←ミリって読める!)が憧れのミュージシャンの演奏を務めることになり、バンドメンバーを探す。正確には見つけてくるまでが試練なのですが、段々とメンバーが集まる様や、集まったメンバーがあんなことに……なんていうのも難解さがなくてハラハラドキドキ時には達成感とちょうどいいバランスで読めました!

音楽を扱った文章、これは難しいと感じました。
難しいと感じた上で、登場人物ごとに特徴の違う音色を響かせている文章、すごいと思いました。
また主人公の知識が圧倒的に足りないということが、
1- 読者と同程度の理解しかないため、無理なく説明を挟める
2- 主人公には知識がなくともテクニックを持つ『天才肌』に見せることができる
という効果を産み出していて上手いなぁと感じました
専門用語、聴覚という違う感覚を文章に落とし込むこと、などなど障害は多いというのにそれをクリアしていると感じました。作者様の音楽経験に依るものでしょうか?

様々なテイストを含んでいて(途中サスペンス要素も?)彩りの素敵な本作ですが、やはり音楽が好きな主人公というのが一番のキーポイントになっていると思います。
ですから、ライブのシーンは期待していますよ!

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