読了後、どれくらいの時間であったのかわかりませんが、放心状態でありました。
感動した? 驚愕した? 爆笑した? どれも近いのですが違うのです。
学校の教室へ、いきなり武装したイカレた連中が乗り込んでくる。
それに対して、主人公が口にした言葉。この時点から「常識」のタガがどんどん緩んでいくのです。いやそんな甘い表現ではないです。
ぶっ飛んでいく、これでしょうか。
なぜ彼がそう言わねばならなかったのか。それがこの物語の核になっていくわけです。
そのような “核” を思いつくなんて、いったいどんな書き手なの?
読み手を選ぶお話ですが、磁石のようにピッタリとくっ付けるチョイヤバな感性をお持ちであれば、間違いなくハマります。
読了後の放心状態、これはけっしてイヤな感覚ではありません。
むしろ、愉悦に浸る、という表現が妥当かと思われます。
世間が作り出すステレオタイプな価値観に抗い、変身を望み、叶うが、最後はそれに救われる。
「音偽装氏」の挿話を含めて、世間という檻・メビウスの仕組みを下世話かつ幻想的に比喩できており、試みが非常に面白い。
多少、校正が不足している部分もあるが、相変わらず文章も巧い。
ただし、指摘するなら、題名が(以下略)
真面目に題名つけて、キャッチコピーが『オナニーしてたら魔剣出た』でいいじゃないか?
まずは読者の気を惹きたいが故、題名や殆ど無意味な記号「若い女教師」でフックする、そのあざとさ、書き手として凄く気持ちはわかるが作品を若干壊してもったいなく、何とかならんものか(笑)
しかし、次も期待の★★★。