せきららに、的確に語られる物書きの心理

広告コピーを生業にされているという著者が語る、時には我々(自称)物書きが目を背けたくなるようなせきららな心理。
次々と読み進めたくなる、仕掛けも豊富な小気味のいい文体で、気がつけば最新話まで一気に読み終えていました。

ネタバレになるのでこの場で詳しくは語れませんが、「自分の感性でいいと信じたものを、愛情を込めて書け」というメッセージが、ひしひしと伝わってきました。
とはいえ、伝えることを仕事にされている著者らしく、客観的な視点は失わない。
だからこそ、心情を吐露しながらも独りよがりにはならず、好感度が高いのではないでしょうか。

「そうそう」
「そうだよね」
そう頷きながら、今日もまた書かずにはいられない人達の心をあたたかく包みこんでくれる、精神安定剤のようなエッセイです。

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