6畳半のテラフォーミング

作者 髙 仁一(こう じんいち)

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94人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

魅力的な状況設定に期待は否が応にも膨らみ、その魅力を損なうことのない鮮やかな場面進行に、もはや途中で止まる事は許されず、思っていた通りの思いもよらないオチに思わずにやけてる自分がいました。
豊富な知識に裏打ちされた完成度の高い作品たちです。
次回作も楽しみにしています。

★★★ Excellent!!!

お、面白かったーー!

本作はSFの掌編集だ。多くの皆様が語るとおり、掌編ごとに丁寧に転結が描かれ、本当に読む手が止まらなくなってしまう。

物語の一つ一つも味わい深いのだけれど、それらを統合させている作品全体の雰囲気があるように思う。それは、ちょっとの工夫やちょっとの便利さを推し進めていった結果、思わぬところで「落とし穴」が待ち受けている、ということだ。

作品中では、発想豊かなSF的ガジェットが駆使されることで便利さが生まれたり、あるいは、問題解決が図られることがある。しかしその結果ゆえに、人が死に到ったり大変なことになったりする(詳しくは読んでみてのお楽しみだがなぁ~~ッッ!)。

翻って、私たちの生きているフィクションではない世界も、様々な科学技術の積み重ねに下支えされて、現今の「当たり前」が構築されている。電気やネット回線の前提があるからこそ、オンラインで知り合いに会ってゲームができたり。冷凍・冷蔵技術が発達したからこそ、刺身がどこでも食べられたり。といった具合。

でもそれは、それには。どこかに「落とし穴」が有るかもしれない。

丁寧に練られたフィクションで突き付けられる、科学の進歩の「落とし穴」。ふと、現実の「危うさ」についても思惟させられる。そういう意味で、本作はまっとうすぎるほどにSFの常套テーマをえぐり出してきている。

読み応え抜群。お勧めです。

★★★ Excellent!!!

 一編一編に期初転結、ウイットに富んだ内容。最後の一行に感心させられる。
 とても含蓄に富んだ話、考えさせられる話。ブラックな笑い。
 これでもか、というくらい充実した内容です。
 小中学生のころ、図書室で本を借りて夢中で読んだ。そんな新鮮な気持ちを思い出させてくれる、懐かしくて新しいSF短編集です。

★★★ Excellent!!!

怖い話、不思議な話、切ない話とおもちゃ箱のように、ありとあらゆるSF作品の詰まった秀作短編集です。

ちょっとだけ、が止まらず、せっせと読み進めてしまいました。

読了した後のしてやられた感も爽快。

短編集ですし、隙間時間に読みなはれ、とお勧めしたいですが、隙間時間をはみ出て読み耽ってしまう困った作品です。

★★★ Excellent!!!

本格派のSF作品です。
時空や空間を超えた奇想天外なストーリーを描きながら、実は、人間の本質を描いているのかも知れません。

一話目の科学者は、使命感がありながら、恐るべき冷徹な決断を下します。

その姿は、未知の生物より恐ろしい。

★★ Very Good!!

全てを読めていないのですが、読ませていただいた分でもしっかりと分析のされた文章だなと思いました。テクノロジーの発展がもたらす弊害、それらが過不足なく伝わり、皮肉がしっかりと分かって笑みがこぼれます。

★★★ Excellent!!!

 秀逸なSFを絡めたレトリックに、一気に呑み込まれる。
 流れるような文体が物語毎の世界観に自然に誘い、ラストに向けて小気味いいほどスムーズに読み進められる。
 ウィットの効いたアイディアは溜息が出るほどだ。
 ショートショートの醍醐味は読後の後味の良さだろう。思わずニヤリとする作品が並ぶ。

 ジェットコースターのように気持ちいい。
 SFショートマニアなら、是非お勧めしたい。

★★★ Excellent!!!

 シニカルなストーリーが、文明社会に歩む僕達に、進む先の床に落ちている、「バナナの皮」に気付かせてくれる。
 拾い上げた皮には、物語がありました。

 人類の多くに、恩恵をもたらすテクノロジー。こうして、気軽に他者の創作を閲覧し、感想を手軽に書き込めるのも、そのお陰です。

 反面、高額のコストや、地域の問題で、一部の特権だったり。薬物のような副作用、もしくは体質適合のように、合わない人、受け入れない人、理解できない、付いていけない人と言った、ナニがしかの、格差を生み出しいるのも事実です。

 その強大なパワーは、時に人を惑わせ狂気えと誘う。
 いや、惑わせれたのでなく、夢を追い続けただけ、自分の願いを叶えただけ、多少の犠牲はやむ得ない。我慢する必要が何処にあるでしょうか?
 他者との協議、合意が全てなされて、生み出された技術など、この世に存在するのでしょうか?

 単純生命と自然現象が、地球上に神々しいまでの成果を生み出すように。
 人が生み出したロボットが、悠久の時間を使えるなら。命令を果たし続けた先の成果は。ヒトの技を超え、神の領域に至ることも可能では?

 こんな感じで、床に落ちた「ババナナの皮」を、私は探していくのです。

★★ Very Good!!

基本的なアイデア自体は決して目新しいものではない。それを短い尺で展開させ読者を引っ張っていくのがうまい。
第三話など特にどっちに転ぶのかわからない可能性を保持したままラストまでもっていった。素晴らしい。

★★★ Excellent!!!

すべて読み切りの短編集。個人的には2話のエコ環境が好き。
物語中盤で明かされたビルシステムの思惑に「へえ」と感心しながら読み進めていたらラストの更なる展開に衝撃を受けました。正直、恐ろしい。
1話のハエ取り草も3話の戦争ゲーも共通しているのは希望を描きながら、実はその裏で暗躍する恐怖を伝えていること。
どれも傑作です。

★★★ Excellent!!!

エコだの環境保全だのを考えるのはとても貴重なこと。けれど限度を超越して徹底的に追及すると、最終的には人間が環境の害悪と見做される可能性もある。そんな恐ろしい未来を描いた一作でした。
けれどもエコを題材にした小説は珍しく、環境に優しいという言葉を改めて見直すきっかけにもなりました。

★★★ Excellent!!!

一話目は、人類が移住するための第二の惑星を探し、見つけたのは資源の豊富な惑星。そこには、ハエ取り草とそれに繋がる象がいて……、その周りで人がいなくなる。
二話目は、快適さを追求したビルのお話。エコって何だろうと、考えさせられる。
HGウェルズのような、突拍子がなさそうでも、取っ付きやすいお話が詰まっています。
象がかわいいぞう。

★★★ Excellent!!!

人工知能が生存本能に目覚めたりして、人類を粛清するという筋書きはよく見かけますが、環境保全のために、というのは初めて読みました。しかしながら、最近の人間の所業を見るにつけ、地球環境のためには、もしかして人間て要らないかも??と思えてくる昨今、鋭いところを突いた作品だなあと感銘を受けました。