ドント・ルーズ・ユア・ウェイ

物語の舞台は明治時代。
昔語りからその物語へ誘うところが世界観をより味わい深いものにする構成だな、と感じました。
背景として現代の史実と地続きの部分もあり、どこかあり得たかも、と思わせるフィクションの現実性に
SFのワクワクの匂いが漂います。
多くは近未来の舞台でそれを見るのですが、前時代にそれを見れたことが面白い。
男の子の私としては蒸気機関という言葉だけで血がたぎるのですけれども、それを併用した「踏機」なる
機体(パワードスーツが最も近いでしょうね)による対戦が今回のお話で、そこにあった論理的(宇宙の先にあるような物理の法則)解釈の必殺技が更なる科学感を魅せてくれます。

私が読んでいてお気に入りなのは、必殺技=奥義を体得、会得してゆく流れで、変化を味わえる部分は成長にも類似している感覚ですから魂が揺すぶられるところですね。
一見すると使われている文字や雰囲気(時代背景もあるのかな)から、やや小難しい印象を持つ方は少なからずいらっしゃると思われます。
ただ、その実内容は適度にフランクで、読み進めていけば十分にメイジパンク(造語)が自然と染みこんで、後は作中の操士たちと一緒に燃えるだけ。
一読いかがでしょう。

(*一言タイトル我が道を行けと内容は特には。気分で、逆転劇時に流れたい一曲のとある曲名から拝借しております)

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