概要
なんで突然動き出したの? 全然準備できてないんだけど
俺の名前は【大内田誠】。
休み時間に文庫本を読むことと、黒板消しを極限まで綺麗にすることに青春を捧げる16歳だ。
最後に普通の女子と喋った言葉。はっきり覚えている。
あれは二年になったクラス替えの時だ。隣の席になった女子との儚くも甘い記憶。
「キミなんて名前?」
「お、大内田誠……」
「大内田? 大いらないくない? 内田でよくない?」
これだ。先祖代々受け継いできた由緒正しき苗字に、不遜にもケチをつけてきた。大胆な女子である。
ヒエラルキーは最下層。このヒエラルキーは一度下層に位置づけされてしまうと、よほどのことがなければ覆すことはできない。
例えば、テレビに出るとか。
例えば、ツイッターで話題になるとか。
目立たないからこそ最下層に位置づけされているのに、なんという皮肉。神のい
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