都会のオフィスビルで働くOL早瀬まどか。そんな彼女がエレベーターで二人きりになったのはたまに見かける憧れの君。このチャンスを逃すまい。でもどうすれば良い?そんな彼女の妄想たっぷりのシミュレーション。そしてその結果は…最後の展開は驚きました。
ELVという密室で二人きりになった男女。そりゃあ、もう!あんなことや、そんなこと、果てはこんなことだって……。いつドアが開くかわからないスリル!っていう話ではない。まずは、起こりうる事態に対応すべく、又はこちらから仕掛けた場合の相手の反応など、あらゆる想定をする。そこは社会人ですから、マーケティング。弱みと強みを抽出して分析。自らのポテンシャルとリソースで取れる戦略は何か。この場合、落としどころはどこか。限られた時間の中で、この案件はゴーなのかステイなのか。手に汗握る駆け引き。心理戦の行方。最後の決断は……。みたいな、妄想をしてみた。
パシッと自分の額を叩きながら、「してやられたぁっ!」などという落語家みたいな言葉は発しませんでしたけど、やられました。よほど捻くれたおかたでもない限り、読後に同じ行為もしくは言葉を口にされるのではないかと思います。多分ですが。うまいですねえ、うまい!うん、うまいですよ。だからぁ、うまいですって!と、見事に罠にかかった自分の照れ隠しを、怒りにすり替えて表現してみたりします。ポップな文体が、これまた見事にマッチングしており、まさに万人向けの掌編だと思います。
小気味良いテンポで妄想の世界を楽しませていただきました。私も妄想好きな方ですが、妄想って全方位的に広げていけるものなんだなと改めて感じました。
なういイケイケ姉さんを想像しながら読んでいったら、最後の部分でおお!と思いました。とても良かったです
またしてもやられました。 ホントに読者を魅了しますね! タイトルもマッチして、ぐいぐいとあるあるにひきこんでおいて……やっぱりひっかかりました。 あなたも素敵な夜を妄想して下さい。
男女共に、そういう妄想はするのでしょう。良い意味で裏切られた感ありました、狭い空間だからこそのドキドキ感や都合の良い妄想のテンポが面白かったです。
そっちなのね。そっちかぁ。そっちだったかぁ。
タイトルに「妄想」の2文字を入れる事で、良い意味で、読者を惹き込んでいますね。内容も、タイトルに負けじと、上手に着地しています。マット体操の跳躍後の着地みたいです。
本作品をまだお読みでない方はレビューを読まずに作品の扉を開けてください。すべての方にオススメです。まずは読んできてください。何を書いてもネタバレになるような気がします。作品を読み終えたら、一緒に皆さんのレビューを読みながら「そうそう! ホントだよね〜」と画面を指さしましょう。できれば、ソファとかベッドとか読後にうう〜ん、と身体を沈み込ませられるようなところでお読みになることをオススメさせていただきます。
もっと見る