悩ましい時代をくぐりぬけていく若者たち!

何かがうまくいかない時に……というタイトルが絶妙な物語です。
2というくらいですから、1もあります。
もちろん1から読んでいただいた方が面白いです。

が、この『2』は単独で読んでもすごく味わいのある作品になっております。
大学生のグループを中心とした物語で、1では主役だった喧嘩の強い定食屋の女の子『悠』をからめたドラマが展開していきます。
この大学生のメンツがいろんなことに悩み、傷つき、助けたり、助けられたり、酷い目にあったり、大食いしたりと、まぁ色の濃い青春群像劇が積みあがっていきます。
構成するメンバーがどこにでもいそうで、でもすごく個性的で、本人たちは大まじめに、しかし傍から見ているとなんとも面白いエピソードを繰り広げます。

まぁ大学というのはちょっと独特な時期であり、それ故に人生の大問題なんかに真剣に悩むものです。
それこそ大人になったら流してしまう、流れてしまうような問題なんかにも。
この物語では、その地点にしっかりと立ち、そういう問題に真剣に向き合う姿なんかが描かれているのです。
私はこの作品の最大の魅力はそこにあるのかな、と思いました。

かつて大事だった問題や疑問にしっかりと向き合い、答えを見出そうともがく様。そういったところが丁寧に描かれていて、ドラマとしても上質なものになっていると感じました。

もちろん読みやすい文章と、癖があっても憎めないキャラクター達、ちょっと予想のななめを行くストーリー展開。
ドラマ部分を楽しみつつも、読み終えた後になにか考えさせられる、そんな素晴らしい作品です。

ちなみに最終話のタイトルは『神様は不公平』
みなさんもそんな風に感じたことありませんか?
そして不公平だよな、と達観してませんか?

興味が湧いたら是非読んでみてください!

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