40年以上も芸能界の第一線で活躍し続ける郷ひろみさん。そんな彼を追ったあるドキュメンタリー番組では、60歳を超える彼が今もなお新たな挑戦を繰り返し、ハードなトレーニングを欠かしていないことが明らかにされました。
郷さんは言います。
「過去の栄光にとらわれず、今の自分に何ができるのかを考えやってきた」と。
あれだけ輝かしい成功を収めている彼が、過去の自分は過去でしかない、さらなる高みを目指したいと。そうして努力を続けていることに驚いたと同時に、彼が今でも輝き続けている理由に納得しました。
この作品にはそんな彼の姿勢に似た哲学が描かれています。
恋する女はきれいさ
けしてお世辞じゃないぜ
ため息まじりの頰に
ついこの手のばしたくなる
つい感情がたかぶって歌ってしまいました。失礼します。
アイドルとして最も聞きたくない言葉である「落ち目」。若手のアイドルが出てくる中で、30という歳をすぐに迎えることになる、そんなエリナの心の葛藤にとても共感できるものがありました。過去の栄光には、ついすがりたくなるものです。でもその栄光ばかりに逆戻りするから本来のものが見えなくなって……。そんなエリナに竹野内という男性プロデューサーが現れます。彼女のもつ葛藤が竹野内と出会うことにより、エリナの心境にも次第に変化が……。
アラサーだけでなく、きっとどの年代の方にも「本当の自分」を取り戻すことの出来るヒントが織り交ぜられています。
うまくいかないことばっかりだ!と思う方は尚のこと、作者様の作品と出会って見て下さい。とても心あたたまること間違い無しです!
アラサーのアイドル・エリナの一人称で綴られる短編小説。この一人称がかなりの見どころで、テンポもよく、毒や個性もあり、何より文章を読んでいるだけで彼女の人柄や性格がしっかりと伝わってくる!
タイトルや一人称の雰囲気から、毒気のあるギャグテイストで物語が進んでいくのかと思いきや、話は深いテーマ性を伴ったメッセージ性のある後半へと展開していく。
三十路直前で無理のあるアイドル路線、事務所からの路線変更命令、若手アイドルの台頭、先行きの見えない自分の将来、そう言ったもろもろの不安が襲い掛かり――そして彼女は一曲の歌と出会う!
自分を輝かせることは難しいけれど、大切なことを忘れなければスターは何度だって輝ける☆キラリッ
そんな素晴らしい小説です。
キャッチコピーの通り、夢と現実の狭間で自分を見失うアイドルの話、
どうしたら人気が出るのか?何を求められてるのかを調べて応える。
小説を投稿しても読まれずに悩んでいる人やプロを目指している人もきっとそうしていると思う。
でも、それじゃあダメ。
どんなに面白い小説を書いても、そこに「自分らしさ」がなければ意味がない。
それこそ自分より実力がある人が代わりに書けば良い。
では何故私達は小説を書くのか。
それは「自分が書いた」小説を求めている人がいるから、
そして何より私達自身が小説を書きたいから、
当たり前だけどつい忘れてしまう、
そんな大切なことを思い出させてくれる作品です(^_^)