人類絶滅会議

人類の今後を決める重大な会議と害虫と人類に呼ばれる生き物の運命。

寓話的でシニカルなコメディでした。
説得に向かった生き物が現れたところで、うまく物語が転んだなと思いました。というか笑わせてもらいました。
ただ、議長をつとめた動物も、人類が滅んだら生きていけないのではないか？という疑問が頭から離れなかったのですが、その動物は適応能力が高く人類がいなくても生きていけるとご指摘を受けました。
深い動物に対する知識があってこその作品だと思い、改めて筆者の知識量に敬服する次第です。

ブラックな童話というか、ブラックなイソップ物語というか。これは人選ミスというかなんというか。

迎えにきたのがせめてアレじゃなければ・・・！！！泣
とても面白かったです。

まるで、藤子・F・不二雄のような世界観でとても好きでした。論理的な話をする家畜という生命体も良いです。

この会議が開かれたら間違いなく人類は悪でしょうね。

上手に纏められた話の中に考えさせられる言葉がちらほら。

教訓とはこういったものの中にある！

人類を滅亡させるかどうかで、人類以外が話し合う会議です。

うーん、これは悪手w！

と心の中でつぶやきながら読み進めました。

なぜそこに投入するの、と突っ込まずにはいられません。


さすが切れ味鋭いカーブをお持ちで！

次の話にも期待して星三つ送らせて頂きます。

大量絶滅を前に集まった動物達の会議において、人間の絶滅か保護かで揉める中、あの動物(正確には虫ですが)が危機を知らせる使者として立ち上がる。その結果は・・・・・・・・。

人間の生存に対して、肯定派の動物がきちんと出てくる点がとても良かったですね。どの動物も納得のいく種族ばかりでした。

読み終わった後は、とても考えさせる小説でした。

童話のような世界ですが、そうすると読者に伝えたい説話は？◯◯◯◯を殺すな？やっぱり童話ではなさそうです。
捻ったオチは面白いのですが、大味な感じがして、昨日から考え続けていました。これは勝手な提案なんですが、連作短編にすると面白さが倍増しませんかねえ。
１話目は日本だけにする。火山は富士山にする。会議出席者は事前に逃げる。２話目は例えばイスラム圏のインドネシアとかにする。そうすると議長の発言が中立から擁護派に変わる。３話目はまた別の国にする。参加者の誰かの発言がまた変わる。そうすると国際色豊かな連作短編になると思うんですが...。
身勝手な意見でした。年寄りの小言と思って御勘弁を。

こちらの著者様の小説は『人類の絶滅』をテーマとして描かれておりますが、その会議に出席している面々が動物だったというユニークな発想の小説となっております。

個人的に「面白いな」と思ったのが、会議の議長補佐を務めているのが「アブラゼミ」となっているところです。

著者様の動物や地理に対する造詣の深さを垣間見ることのできる小説にもなっております。