なんとも魅力溢れる”大江戸あやかしモノ”

 実力ある書き手が、頭の中にあるオモチャ箱を”えいや!”とひっくり返し、その中身がぶちまけられる勢いそのままに執筆しているかの様なパワー溢れる時代娯楽モノ。

 とにかく遊び心に溢れたダイナミックな演出が絶え間なく続き、どこか型にはまった感のあるキャラクターと世界観を”どこかで読んだような?”とは決して感じさせません。

 笑いの要素を多分に含む会話劇と時代モノっぽい講談調(?)の地の文との対比は他作には無いモノで、時折挿入される”あやかし”を匂わす描写にゾクッとさせられたりと、緩急ついた文章は物語を先へ先へと読み進めさせます。

 おそらく物語は佳境。
 ”笑い”や”オフザケ”といった展開の裏で隠れがちとなっている、キャラクター各々が抱えて来た運命や想いといった代物が最終的にどう決算されるのか?
 一読者として、そこを凄く楽しみにしています。
 

 追伸:タイトルに『からくり隠密同心』を加えてあげても……いいんじゃ((((;´・ω・`)))

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