ふとした日常に愛を見つけたい人はぜひ読んでみて欲しい

 特別なイベントや記念行事に言葉やプレゼントで愛情を表現することが多いけれど、作者は常に、静かな日常の中にひたひたと揺蕩う愛をいとも簡単に拾っては、私たちに微笑みと共に見せてくれる。
 このお話は悪阻という人生の大イベントの一つ、というタイミングではあるが、終盤に出てくる場面が本当にさりげなく、ふとした日常から見事に愛を拾って見せてくれている。一体どこからこんな発想が湧いて来るのだろう、といつも感嘆を禁じ得ない。
 なにげない日々の中にも、こんなにも愛は溢れているのに、あなたは気付いていますか? と常に語り掛けられているようだ。

既に素敵なエッセイも小説もお書きになっておられて、私も勝手ながら書籍化希望を公言しているのだが、ぜひこれまでの掌編を集めた短編集も出版されて欲しいと思う。
枕もとに置いて、ふと手に取って、その日の気分でお話を選んで読んで。そんな風に心和ませてから就寝することができたら、きっと素敵な夢を見られるだろう。

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