友人がネズミになった日

作者 おっぱな

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★★★ Excellent!!!

灰色の町は、今日も新たな色に染め変えられる。

ノンフィクション。だからこそ汚くて、だからこそ温かい。
私も小学生の時、担任の先生から有難くも教えていただいた「名前を書く」ことの大切さが身についていたおかげで騙されなかったという経験を持っています。
高校時代、気弱だけどとっても優しかったクラスメイト。彼は今、どこでどうしているのやら……。

文体もとても内容にフィットした、素敵な御作品でした!

★★★ Excellent!!!

タイトルに惹かれて読みました。
ファンタジーものと思い、読み進めていくと、現代をテーマにした新宿ネズミの物語だと分かります。

久しぶりの再会で変わりゆく友人。変わらない主人公の意志の強さ。
そして主人公と友人の別れ。その一連のシーンがとても印象的です。

主人公が心で思ったこと。そこには友人と別れてしまったが、変わらない「友情」があったからこそなのかもしれません。

★★★ Excellent!!!

筆者が久しぶりに新宿を訪ねる話です。

時間の流れ、日々の移り変わり、都会ではなおさら早く感じるでしょう。

筆者が過ごしてきた5年間、久しぶりの友人に出会い、共に語る。

嫌いだった街の見え方が変わっていく、その一瞬に胸が熱くなり、穏やかにしてくれます。

きっと誰しもが持っている心の移り変わり、この小説を読んで実感してみませんか?

次の話にも、期待して星3つ送らせて頂きます。

★★★ Excellent!!!

こんな別れもあるのかと思ってしまいました。ぼくも確かにこれ、引っ掛かったことがあります。無理だと気づいてクーリングオフしましたが、友達の言葉だからと、信頼している友達だから紹介されたものを断りきれなかったんですよね。それに気づいたときはただ悲しかったです。よくあることかもしれない、そう思いながらもやはり人間関係、こういうことで崩れてしまうのは切ないです。ねずみになった、なってしまった彼が元気でいますように願ってやみません。

★★★ Excellent!!!

タイトル通りの物語です。
いや、人間が変身してネズミになる、怪奇なお話ではありません。
現代社会を風刺した、含蓄のある掌編です。

淡々と主人公の心情が語られます。友人との会話が流れに絶妙にマッチし、読みながらニヤニヤします。

読後に浮かぶのは、友人の行く末。主人公と同様、「頑張れ」と心の中で拳を握る自分に驚きます。友人に感情移入してしまっておりました。

★★★ Excellent!!!

タイトルに惹かれ読んでみました。

いままでと変わらない関係でありたい、そんな淡い期待さえ簡単に塗り替えられてしまう。

そんな現代社会の日常を舞台にした二人の離別は、読んでて悲しくなるとともに、自分にもそんなときがくるのかもしれないと焦燥をかり立てられます。

作者様の卓越した文章力がより一層そんな場面を想起させ、作中のキャラをリアルに生き生きとさせています。

変わり続けない関係なんてない、でも自分から変わることだけはやらない。

相手が変わらなければ、主人公もあんな風に変わる必要はなかったのだと思います。

たとえ変わっても相手を裏切ったりしない、そんな親友ができればいいなと強く思いました。

あと、マルチ商法だとかそういうのは手軽に手を出すべきではないです。しっぺ返しは必ず帰ってくるのです。
グレーゾーンとは言っても、真っ黒にはなれても真っ白にはなれないんですから。

一時の欲に目を曇らせて人生台無しなんて嫌です。主人公みたいに周りからつまらなく見えても自分を見失わない生き方をするのがやっぱり一番いいんだと思います。

★★★ Excellent!!!

 本作は著者であるおっぱなさんの優れた筆力・構成力が遺憾なく発揮された、大変素晴らしい物語です。

 テーマは重いですが、その本筋は主人公である「私」が、様々な人々と出会う中、成長していく物語です。欲望の果てに淀んでいく人々と、そして「私」の対比が実に見事で、非常にビターな話ですが、とても暖かな印象が強く残る物語になっています。

 そして本作は構成・キャラクター描写が非常に見事なので、短編をこれから書きたいと思われる方は、絶対に読んでおくべき作品だと言えます。本作から学べる事は非常に多いでしょう。

 最後に、この様な凄い作品を生み出して下さった著者であるおっぱなさんに、心から感謝の意を表したいと思います。

 本当に素敵な物語を、ありがとうございます(^▽^)!!

★★★ Excellent!!!

増えることが強いられる、灰色のネズミたちの物語。
他のレビューにも書かれていますが、すべてを現しているタイトルがお見事です。
現実を突き付けられた悲しい設定ですが、あまり好きではなかった街の一部が少し好きになったように、二人の関係がいい方向に変わる可能性を残した幕の下ろし方がよかったです。

★★★ Excellent!!!

はじめこのタイトルを見て、どんな話なんだろうと考えていました。
それが読み進めていくうちに「ああ、なるほど」と思うようになります。

もし自分が主人公で友人がそうなってしまったら、似たような選択をとると思います。自分の周囲でもこんなことが起きるかもしれないので、心に刺さる部分がありました。

★★ Very Good!!

非常に『私』の中にあるやるせなさと葛藤が伝わって来る内容であった。

私にはこういうことをしてくれるような友人すらいないので、遠い話だと感じたのだけど、改めて身近にこんな生き方をしている人がいたらどう感じるだろう、どう考えるだろう、と思わされた。

読んでいる途中でオチは読めた、としたり顔をしたのだが、よく考えてみれば、これはエッセイであり、奇をてらったミステリーではない、と最後まで読んで反省した。ネズミが何であるか、ではなく、ネズミを作者は、読み手は、どう捉えるか、がこの話のメインテーマであり、本当のオチである。

社会的な問題に対する問題定義と、作者様のひとつの回答に、同意できる人もいるかもしれないし、いやいやそれは、と思う人もいるかもしれない。私は、アリ、だとは思った。

社会の中で生きるということは、悪をも許諾することかもしれない。いや、清廉潔白に生きるなんて、ほとんど不可能だろう。ならばこそ、私は友人を失わない道を模索してみたいと思う。

★★★ Excellent!!!

ネズミってそっちかあ。
先に昆虫の話を読んでいたのでシリアスな話とは思いませんでした。ネズミ、仕事の内容だけではなく友人の生き方そのものもネズミですよね。人間の欲望を食って生きる者たち。友人もそのひとりだったことを、淡々と冷めた目線で語る主人公。ハードボイルドっぽい感覚は好きです。

★★★ Excellent!!!

内容は、まぁ地方あるある。私も二回は経験ある。
ただし、文章が非常に巧いのでストンと入ってくる。
ネタバレにならないように書くと、最後の「私は新宿が嫌いだ~だけど・・・」のくだりなんかは、その比喩だけで、友人への想いを表現しており、なかなかの名文だと思う。
敢えて指摘するなら、題名が惜しい(笑)