社会で生きることと、葛藤

非常に『私』の中にあるやるせなさと葛藤が伝わって来る内容であった。

私にはこういうことをしてくれるような友人すらいないので、遠い話だと感じたのだけど、改めて身近にこんな生き方をしている人がいたらどう感じるだろう、どう考えるだろう、と思わされた。

読んでいる途中でオチは読めた、としたり顔をしたのだが、よく考えてみれば、これはエッセイであり、奇をてらったミステリーではない、と最後まで読んで反省した。ネズミが何であるか、ではなく、ネズミを作者は、読み手は、どう捉えるか、がこの話のメインテーマであり、本当のオチである。

社会的な問題に対する問題定義と、作者様のひとつの回答に、同意できる人もいるかもしれないし、いやいやそれは、と思う人もいるかもしれない。私は、アリ、だとは思った。

社会の中で生きるということは、悪をも許諾することかもしれない。いや、清廉潔白に生きるなんて、ほとんど不可能だろう。ならばこそ、私は友人を失わない道を模索してみたいと思う。

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