竜胆—りんどう—

作者 aoiaoi

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★★★ Excellent!!!

四季折々の美しい山の中、人の子と狐の子が出会い、ひたむきな願いを抱きながら日々を過ごしていく……。
それが永遠に続かないものだと分かっていながら、私たちは続きを読んでしまいます。2人の気持ちに寄り添いながら読めば、2人の最後の結末がどんなものでも納得するでしょう。2人はそうするしかなかったのですから。
心が大きく揺れ動かされながらも、うっすらと結末が分かっていながらも最後まで読んでしまう、そんな素敵な和風短編です。おすすめです!

★★★ Excellent!!!

昔話のような設定が、私たちが今息をし暮らしている現代が孕まずにはいられない複雑な外的要素をそぎ落とし、物語の純度を高めている。

シンプルで素朴な、作者が提供するささやかな登場人物と自然の息吹が、太平と花の心の交わりと、それぞれの胸の内を克明に描き出しているように感じた。昔話とは、このように雑音のない物語を作り出すものだったのか、と膝を打った。

互いを思い、相手を愛し、同時にそれ以上に自分の想いを走らせ、二人がたどり着いた場所が暗く誰の手も届かないような場所ではなく、美しく幻想的な竜胆の花で溢れた場所だった。それは、幸せと幸福に溢れながら、透き通った氷のように胸に刺さって切ない。
つかのましか拝めない芸術作品を見たような、圧倒感があった。

★★★ Excellent!!!

 命のはかなさと愛の普遍がテーマの二部構成。愛の絆を秋の山野の光景を描くことで美しく彩り、哀しくもせつないaoiaoiワールドに誘います!

 文字を追うごとに背景が動き、すべて過不足なく自然に運び、納得のいく結末につながっています。
 aoiaoiさまは心を精緻に書かれる方です。
 そしていつか見た画集から抜け出てきたような、情景描写。幻想的で、詩的で、はかなくて。
 もうずうっと前から、自分がそこにいたような臨場感があります。
 これからわたくしは、はなにあいたい、と死ぬまで思い続けるのでしょう。

★★★ Excellent!!!

愛するってなに?
この物語はある愛の形を描いております。
決して悲しいお話ではありません。なぜなら、その選択こそが永遠の愛を実らせ育ませる唯一の方法であったから。
だから読み終えて頬を伝う涙は、祝福の涙なのです。

優しく語りかけるような文章が、この物語をさらに昇華させてくれます。
どんな障害があろうとも、固く結ばれた二人の手は離れることはないでしょう。
人を愛することに疲れたり疑問を抱いているかた、ぜひこの物語を心でお読みください。