好きなものを追求していくと、やがてその嗜好はマイナー化し、えてして「自分以外は殆ど知らない」ことに快感を覚えるようになりがちなもの。
そういうマニアの自分語りにありがちな「まだ半分くらいはついて来てるかな?これからどんどん振り落としていくぜぃ!」的な空気は、このエッセイには全く存在しません!
ただゲームを楽しみ、その楽しさを共有できる友達を探すため「このゲーム知ってる?じゃあこれはどう?こんなゲームもあったよね?」と無邪気に語りかける筆者の姿が浮かぶようなこのエッセイを読めば、25歳以上で少しでもゲームを齧った経験のある人なら「ああっ!あったあったそんなの!!」と懐古の情を味わえる箇所が少なくとも1つはあるのではないでしょうか。
レトロゲームというカテゴリにおいて半端者を自称されているみれにんさんだからこそとも言えるこの読むもの拒まずの博愛エッセイは、みれにさんのゲームへの深い造詣を窺わせつつも、それをひけらかすことなく、自分のような超ライトゲーマーにも楽しいひと時を提供してくれる心地よい作品です。
ゲームをプレイしていると画面ばっかり見ていて、時々そのゲームのことを思い出そうとしても画面しか思い浮かばないなーと思っていたのですが、みれにんさんのエッセイを読んでいるうちにその当時の映像が明瞭に浮かんで来て感激で身震いしました。
いちばんのきっかけは「NOW LOADING」でのディスクシステムのくだりで、拡張音源の話に触れられたときに「スーパーマリオブラザーズ2」を苦労の末にクリアして流れてきたエンディングで「あの曲だ! でも音が違う! すげえ!」と子供心に目をキラキラさせたのを思い出し、それと同時に見ていた家族にドヤ顔でガッツポーズしたということまで思い出されました。
そのソフトやハードに触れていた人にとっては、眠り続けている思い出が揺り起こされるような、そんな優しく楽しいエッセイだと思います。今後も、みれにんさんのエッセイを楽しみにさせて頂きます。
最後に。
デーイットーナァァァァァァ!
ゲームのサントラ、2000年前後のシューティングゲームブーム、黄昏色のゲームの思い出……この作者と同じ時代を生きたゲーム好きなら、きっと懐かしい気持ちに浸れることだろう。
「そうそう、自分もPSやSS時代に安く手に入れたよ、PCエンジンDUO-R」
「やっぱり初期ビーマニの名曲と言えば『20,november』だよね」
「デーイートーナー、レッツゴーナウェイ♪」
このエッセイには、あの時の自分たちの思い出が詰まっている。
と、言いたいところなのだが……。
すごく個人的な話をすると、自分は確かに同じ時代を生きたにも関わらず、何故か作者様と妙にズレていたりするw
自分の思い出のシューティングは彩京の『戦国ブレード』じゃなくて、タイトーの『レイフォース』だし。
レースゲームはセガの『デイトナUSA』じゃなくて、ナムコの『レイブレーサー』にハマったし。
音ゲーは『ビートマニア』よりも『DDR』に夢中だった。
「そんなことを言ったらキリがないじゃないか」と言われるだろうが、どうにもこの微妙な食い違いが個人的には面白くて仕方ない。
きっと格ゲーなんかも2D派、3D派で違っていたり、RPGも『ドラクエ』『FF』派で異なるんじゃないかなと思う。
断わっておくが、それが「つまらない」という話ではない。
先述したように、これが面白いのだ。
同じ時代を生き、同じくゲームを愛しつつも、なんかビミョーに違っている。
若い頃ならその差が容認できないこともあっただろう(一昔でいうところの任天堂派、ソニー派みたいに)。
だけど今なら「そうそう、そんなゲームもあったねぇ」「へぇ、そっちが好きでしたか? 僕はこっちです」みたいに相手との違いが愛おしい。
大袈裟かもしれないが、まるでもうひとりの自分が歩んだかもしれない道のりを見ているような気分になる。
うん、やっぱり大袈裟だったw 単に昔のゲームの話で盛り上がっているだけだというのに。
でも、様々なゲームが溢れていたあの時代、この微妙な差が当時の賑やかさを彷彿とさせるのは決して言い過ぎではないかと思う。
なお、この微妙な食い違いを楽しみつつも、なんかの偶然でぴたっと重なるのも楽しみにしていることを最後に記しておきます。
ミレニン様のゲーム愛がこれでもかとあふれ出ているエッセとなっております。三十代以上の方は昔を懐かしみ、それ以下の年代の方はレトロゲームに触れるいい機会になると思います。
そして――共感できる一文がありました。それは、
『遊んであげてこそ、ゲームの存在価値を認め、愛でることになる』
私はPS4も持っているゲーム好きですが、今でもXボックスを起動させることがあります。それは『スパイクアウト』というアクションの名作があるからなのです。ゲーセン時代から数えると、かれこれ15年は愛でているかもしれませんね(;^_^A
あ、そうそう『戦国エース』なら当時クリアできましたよっ。(レビューじゃないだろ、これ)
いやあ、まさかのバンゲリングベイ。そういうゲームだったとは!小学校時代にプレイして何をやればいいゲームかわからず、クソゲーで終わりました。やばいなー、これを読んだらもう一度プレイしたくなってきた!
そしてPCエンジン、大好きでした。コアグラ2を持っていた手前、当時はスーパーCD-ROM2に憧れていました。なんというか、今あるゲーム機にこれをくっつけるとパワーアップします!的な感じが好きだったんですよね。結局Duoを買ってしまったわけですが、今でも憧れのゲーム機です。
ううむ、このエッセイ、共感できるところが多すぎて困る(笑)
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エンドロールまで読ませていただきました!
自論は突き通すが過度に誇張しない、そして歯切れ良い。
素直に楽しく読ませていただきました。
しかしエンドロールには早すぎる。
まだまだこれだけでは語り切れないはず!
二周目を期待しています。
自他共にゲーマーであると自信を持って言える私ですが、なんと最初に買ったゲームハードはテラドライブ!
その後もメガドライブ→メガCD→セガサターン→ドリームキャスト→XBOX……と、常に敗戦ハードばかりに縁のある敗者ルート。
任天堂ハードは愚か、ソニーハードすら所持したことがないというこの体たらくでゲーマーを名乗っていいのかはさておき、本作はとてものびのびとゲームについて、ディープに、そして広範に語っており、とても懐かしくも勉強になります。文章量も軽めで合間合間に読めるのも助かります。
エッセイとして、コラムとして、とても楽しい作品になっていますので、ぜひゲーマーの方には読んで頂きたいですね。
私も続きを楽しみに読ませていただきます!
個人的にスーファミよりも好きなハード、PCエンジンに造詣が深いというだけで、筆者様のゲーオタ知識に親近感と憧憬を抱いてしまいます。
また、サントラで「英雄伝説4〜朱紅い雫」を聴いているというだけで(以下略)。僕がガキの頃、初めて買ってもらったパソコンゲームです。PC98とかで。ソフトはフロッピーディスク。
このエッセイ、マジモンのゲーオタじゃなきゃ書けない。
にわかではない「本物」である、と断言できます。
PCエンジンDUO懐かしいですね。僕は本当にガキの頃でしたが、ファルコムのイースやドラスレ英雄伝説やザナドゥ、ハドソンの天外魔境2、メサイヤのシュビビンマンやマクロスや妖子などを遊んだ記憶があります。コナミのシューティングも遊んだかな。当時のゲームで、アニメが動いて声が出るという衝撃は幼心にとんでもない驚きで、スーファミなんてチャチに思えたものです。
…何のレビューだっけ。
あ、とにかくこのエッセイはオススメです。
レトロゲー好きな人は必読。
つーか、これすごいですよ! どこが半端だって言うんですか!
自分が生きた世代のゲームに、とことん人生を懸けている。
正直に感じたことを書くと――カッコイイ。
世代じゃないものをかじるより、よっぽど素晴らしいと僕は思うのです。
そして著者様が、自身を半端者だと思うことにより、さらなる熱意が生まれているのを僕は感じました。満足しない、この想いが鍵なのかと。
僕は半分くらい、書いてあることがチンプンカンプンです(笑)
特にDuoの話まで行くと、うーむ……っと思う領域ですね。
それなのに読んでいておもしろいんですよ。すごい。
これは、熱意以外の何物でもないでしょう。
著者様にとってのゲームは、あって当たり前の域に達しています。
それを魅力的に書くのはとても難しいかと思いますが、ぜひとも続きが読みたいのでがんばって頂きたい。応援してます!