時の巻き尺―End is a piece of cake―

　A piece of cake：一欠片のケーキ。または――。

　神聖区画歴0001年、この世は虚無と崩壊に包まれた。果てなど存在しなかった世界には「果て」が発生し、ホールケーキのようになった世界を食いつぶさんと「崩壊」が始まる。
　人々は絶望し、嘆きに嘆いた。しかしそんな感情も数百年もしてしまうと薄れ、緩やかな崩壊を人々は寛容に受け入れつつあった、四百五十年経過した頃の話。第四区画の軍団に席をおいていたヴィオラは、数奇な運命のもとに、少女と出会う。
　これは、緩やかな崩壊と消滅、そして「うろ」なる物語。