人を愛することの素晴らしさを、教えてくれる物語ですぜ!

ひとつ屋根の下に暮らす、男性二人に女性二人。四人は二組のカップル。ただ、同性同士の組み合わせであった……
この物語は前作があります。ただ今作だけを読まれても、充分堪能できます。とても、とても素敵な恋愛小説です。
同性同士のカップルなんて、と色眼鏡で見てしまうことはありませんか? この物語はそんな色眼鏡を優しく取り払って、「人を愛すること」の素晴らしさを丁寧に語ってくれます。決してキワモノの、興味本位で描かれた物語ではありません。
異性を好きになり子孫を作ることは、私たちに与えられた義務です。人を好きになる、それが同性であったことにより、義務が果たせなくなるかもしれません。でも私たちには義務も大事ですが、「ひとりの人を愛する」権利は持っているはずです。それが同性であったとしても、その二人の権利を奪うことは誰にもできません。
二組のカップルの行く道には、障害もあります。順風満帆ではありません。だからこそ手を取り合って乗り越えていく姿に共感し、感動することができます。書き手の優しさが読み手の心を温かくしてくれます。
この物語をご覧になれば、きっと明日から人を見る目が変わってくるはずです。
愛という最高のフィルターが、心に装着されたのだから。

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