ジャズとクラシック、その対立と融合を鮮やかに描く

ジャック・ルーシェがプレイ・バッハでジャズとクラシックの融合を見事に成し遂げてから半世紀ほどが経ちましたが、今でもジャズとクラシックの違いと対立、メロディとリズム、楽譜と即興、水と油のようなそれらを融合させる試みはホットなトピックであり続けています。
本作は、めんどくさい音楽オタクがめんどくさいオタク特有のめんどくさいオタク語りをすれば、冗長で退屈で衒学的になりがちなこのトピックを、それぞれの音楽をそれぞれの少女たちに代表させ、その人間関係によって描き出すことで、非常にとっつきやすいものに仕上げています。
ジャズの天才とクラシックの天才の王道の対立構造。そして、その双方の良さ、素晴らしさを素直に受け止めることのできる「元・現代クラシックの申し子」が、どのような演奏を成し遂げていくのか。続きがとても気になる作品です。

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