誰もが涙ぐむ時間旅行モノの短編です

人生に絶望した少年が過去へ飛び、戦時中の日本兵と交流して命の大切さを学ぶ…。

筋書きだけを見たら、よくあるタイムスリップものかーと思われがちですが、後編の終盤に、さらなる追加エピソードがあって驚きました。

(以下、内容の詳細に触れています。未読の方はご注意下さい)

未来からの恩恵で過去が成り立つ世界観。
少年が過去へ飛んだことで未来に影響を与えるのですが、そもそも少年が過去へ飛べたのは、その未来からの技術だったという…。
まるで卵が先か鶏が先か、というタイムパラドクスに陥りそうですが(笑)、主題はそこではなく、連綿と受け継がれる、少年の意思と志。
日本兵の思い、少年の思い、それを確かに継承した、未来の科学者。
代々、草笛が得意という共通点が、その「継承する意思」を端的に比喩しており、うっすらと涙を浮かべてしまいました。

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