番外編と言う名の素晴らしい見本市

オープン時からずっと気になっていた御作の本編、そして現在連載中の続篇はいまもランキング上位の常連となっているが、その話数や字数を前にちょっと読み始めるのを躊躇している読者には、この番外篇からのスタートがお薦めだ。
実は私もタイトルだけでついつい食わず嫌いしていたのだが、それを乗り越えられたのもこの番外編の御蔭なのだ。

そもそも、番外編と言えば本編のスピンオフだったり後日談だったりするのだが、これは例えるならまるで美しい見本市のようだった。
冒頭から、粗筋のようで居ながら、あっという間に引き込まれ、なにやら面白そうだな、と麗しいすばるちゃんと初心な優司クンのどきどきなシーンに嵌って辿っていると、気付いたら読了だった。 

タイトル&キーワードだけを見れば、ちょっときわどいものを想像してしまいそうだが、ところがどっこい、作者の筆はあくまで軽やかに上品に、それでいてコメディの王道を行く。

最も私が惹かれたのは、主人公を始めとする登場人物たちの人の良(好)さである。窮地に陥る様はまさにドタバタコメディそのものだが、しかし彼らは絶対に相手を無暗に追い詰めて苦しめたりはしないのだ。あくまで思いやり一杯に包み込んでしまう。
だからこそ、ハラハラドキドキの展開があっても その先を楽しみにまた読みに行けるのだ。
本編は恋愛・ラブコメ ジャンルのアクセス数 堂々の1位だそうだ。ぜひこの番外編から読んでみて欲しい。笑いを保証する。

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