血と臓物の匂いがする。

 The Birthdayは「夜明けのホラーが好きさ 救われたような気がして その後見る夢がどんな ひどいものだったとしても」と歌ったが、そういう意味では日曜の深夜(あるいは月曜の早朝)にはうってつけと言える。
 
 暗い、いわゆるところの怪奇小説であり、SFというよりはホラー色が強いような気もするが、内容の質の高さは凄い。恐怖を単に「怖い」「気持ち悪い」だけで済ますではなく、なんというか、絵画的に示しており、そこに美しさまで発生している(と俺は感じる)のはお見事。

 ただなんというか、俺が知る限りのブラッドベリはもうちょっと幻想的なまさに「怪奇」を描いているイメージで、目指すのはブラッドベリ、であっても猿の偶然によって(言い忘れていたが、タイトルもいかしている)成立したものがこれである、ということであろうから別に問題はないのだけれど、ブラッドベリをイメージして読むとちょっとその具体性と現実性には打ちのめされるかもしれない。
 単に俺のブラッドベリ観が偏っているのかもしれないし、もちろんそのことがこの作品の価値を毀損するものではないことは申し添えておきたい。


 追記:めちゃくちゃどうでもいいことだが、「ショートショートの花束」今6巻まで手元にあるのだが、7、8巻は未読であったので、遅くとも今月中にはどこかで入手したいところである。

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