この作品を読み終えたとき、自分の『真実』を見つけることができるか?

 舞台は高校。一年前に従姉を事故で亡くした、やや性格の曲がった嫌われ者の少年が主人公。
 そんな彼の前に現れるのが、彼に幽霊が取り憑いていると主張する少女と、かたや幽霊などあるはずがないと主張する少女。
 クラスメイトである二人の少女の出会いを切っ掛けに、彼は彼女たちと従姉の死の真相を追うことになる。

 一人称で語られる主人公の性格は少し癖があって取っつきにくく、最初は読み手を混乱させるかもしれません。
 しかしながら、物語が進み謎が明かされ、彼の心情が解るにつれてそれもなくなっていきました。

 不器用ながらも悩み苦しみ、足掻く様は青春そのもの。
 真相を知り、自分の中に確固たる真実を築くことで成長する登場人物たちの姿は美しいと思いました。

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