本当は、誰もその場所に納得などしていない――――

思春期にありがちな葛藤。そんな簡単な言葉でこの物語は語れない。
大人でいう建前が凝縮したように、貼り付けた笑顔の裏側で彼の心をどす黒くしていく。
このままで、いいわけがない。
そう思っていても、積み重ねた毎日を崩すということは、この世が終わってしまうくらいの衝撃をもたらす。
初めに決めてしまったその場所から動き出せず、ただ笑みを貼り付け、腹の奥で納得のいかない感情を育て上げた日々は
最終的に、彼を壊してしまった――――。

星3つでは足りないくらい、私の中にある感情を激しく揺さぶった作品です。

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