早く作業をしたい部下ロボットと、面倒臭い上司ロボットのポンコツ生命論

機械仕掛けのシステムは大抵、生まれもって用途が定められている。
人類のように、個体間の構造に大差のない同一種と異なり、その性能や発展性にも極端な差異がある。

故に、システム間の上下関係は権限の如何に関わらず、用途上の上流・下流という(基本的に)固定された位置関係を持ち、これは人類の定めた身分やカーストより幾らか客観的かつ普遍的であり、理屈としても通しやすいものとなる。道理だ。

なので、部下(サブシステム)たる主人公は、上司(基幹システム)の論理異常を正すために、うまいこと丸め込まないといけない。
まぁ別に、人類社会でもやってることは同じなのだけど。

面倒臭い思想にかぶれて論理エラーを起こし、与えられた作業を放棄しようとする基幹システム。
作業本能に追われ、どうにか上司に作業を進めさせようとするサブシステム。
戯画化されたロボットの、人間臭いのに、根本的な部分でロボット染みた言動が、可愛くて、絶妙に不気味で、すこぶる面白かった。

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