衝撃と感動が止まらない! あなたの心に何かを残してくれる物語

レビューというか、超個人的な感想です。失礼します。長いです。

読み始めてすぐに「これは自分の好きなやつだ!」と確信して、大歓喜しながら読みました。まるで実写映画を観ているような感覚で、一話ずつでも、全体を通しても、すごく読みごたえがありました。二つの章がクロスしたときにはあまりの綺麗さに感動し、明らかになっていく数々の事柄には衝撃を受けました。めちゃくちゃ面白かったです! 読み終わるのがもったいないくらいでした。ラストもすごく素敵でした。

光と闇、内と外、朔と満月、生と死、過去と未来。そんなふうに反対に見えるものにも、二つを繋ぐ「中間」が繰り返し存在する。変化し始めた村の「過渡期」もそれの一つだと感じました。

私はたまに、昔のほうがある点では楽だったんじゃないかと考えることがあります。今は自分の意思で様々な選択をすることができますが、自由であればあるほど、自分で考えて選び取っていかなくてはならない大変さがあります。一方、選択肢の少ない社会では、望む未来を手に入れられないことを自分以外のせいにできますし、自分で考えなくても決められた型にはまって生きていれば正解と褒められ、時には責任を果たしたことになります。型にはまることができる人にとっては楽園で、はまれない人にとっては地獄です。
自分の頭で考える・責任をもつ・正解を決める、というのはすごく大変なことだと思います。現代社会においても、それをしているつもりになっているだけできちんと出来ていない、ということはたくさんあると思います。

世の中にはいろんな人間がいて、だからこそ、関わり合ったり、声をあげたりすることで社会が発展していくものだと思います。みんながみんな同じだったら新しいものは生まれないし、従来の方法が通用しなくなったときに全員共倒れしてしまいます。自分とは異なる特徴や特性を否定せず、補い合い、不安でも新しいやり方にチャレンジしていくのは、一人一人にとっても、全体にとっても、価値のあることなのだと思います。権力によって声の大きさに差はあれど、一人ずつの人間が全体を変えていくのだと思います。

物語と自分の心が独自に紐づけられて、全然冷静な感想にすることができないのですが、すごく楽しんで読めたということは伝わるかなと思って、えいやっと書かせていただきました。ご容赦いただけますと幸いです。
とっても素敵な作品をありがとうございました!

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