黄泉の川が逆流し…やがて始まる鬼ごっこ?

これは作者の強靭な想像力が作り出した物語です。
天才占い師の朧を筆頭に、閻魔大王、彼を補佐するシミョウ(彼女のキャラクターがまた秀逸)、神様に霊獣、果ては天草四郎と、曲者ぞろいのキャラクターが、予測不能なストーリーを紡ぎながら駆け抜けていきます。
ジャンルはSFとなっているようですが、現実世界を舞台にしたファンタジーに近いと思われます。物語の進行はスピーディー、しかし文章はとても読みやすく、次から次へと読ませてくれます。
ちょっと真面目に語ると、個人的に物語・小説で重要なのはなにより想像力だと思うのです。荒唐無稽を現実に引っ張ってくる力、それこそが想像力だと思うのです。この物語に限らずですが、この作者の想像力は目を見張るものがあると思いました。
とにかく勢いと笑いにあふれた快進撃、ぜひ読んでみてください。