甘い水に誘われるまま、そして永遠に。

この世界が あまりに好き過ぎて、すぐに言葉は出てこなかった。

ひとつひとつの 歌たちが
色鮮やかな短冊に 書かれて流され 舞い散るよう。

何度も 深読みしたくなる、あまりに甘美な 恋の行方
熱い身体と 冷たい心。

ツラレテ言葉が 七五調。

どうしたら、こんな表現ができるのだろう。
何を見てきたら、こんな言葉が浮かんでくるのだろう。

ずっと考えて、何度も見つめてしまう。



蛍、ひらり。

あなたが、初めて、弱さを見せた。
蛍になって、私の 手の届きそうなところで
こちらを 見ている。 光の中で 浮かんでいる。
あなたの視線を ずっと 感じていた。

でも、ほんとうに あなたは 弱いの?
掴まえてほしくて、そばにきたのでしょ。
ううん、ほんとうは 私を 捕らえにきたのでしょ。
つかまったふりをしてまで。

数多ある光の中で、あなたの 琥珀の灯りは 私にはわかる。
私は 気に入ったものは、手にいれないと 気が済まないの。
明日の私は、わからないけれど。

やさしいふりで、手を さしのべてしまう。
あとのことは 何も考えずに。

ね、夜汽車に 一緒に乗りましょう。
山から降りてくる時に、てのひらに 乗せてあげる。
下界の灯りは 街の灯り。 仲間はいなくても 淋しくない?

片思いだけが 恋なのに、叶ってしまった 私の恋。
きっと、すぐに 終わってしまう。

私の指輪になってくれる? あなたは やさしい尋ね人。
そばにいてくれるなら。 永遠になるなら。


「羽を閉じる」 に 呼応して、 再び 菜摘より。