概要
つらつら椿、つらつら見れど、春はまだ来ぬ――人と精霊の恋物語
根の国に近い「箱庭」は、夜の世界である。
そこは朝も昼もないが、温かな安寧の闇に満ちている。
野生の椿が生い茂る屋敷に暮らす青年・長夜(ちょうや)は半身を失った日、山で女の赤ん坊を拾った。憐れに思った長夜は赤ん坊を連れ帰り、朝未(あさまだき)と名付けて大事に育てた。
十四年後、美しく成長した朝未は、長夜を異性として意識し始める。
長夜の方も朝未を、娘とも妹とも思えない。
ある月夜の晩、二人は人界に降りたところを巨大な狼に襲われる。
狼の主人らしき高位の精霊(?)のおかげでことなきを得たが、暫くして長夜は天帝から朝未を差し出すよう命じられる。
そこは朝も昼もないが、温かな安寧の闇に満ちている。
野生の椿が生い茂る屋敷に暮らす青年・長夜(ちょうや)は半身を失った日、山で女の赤ん坊を拾った。憐れに思った長夜は赤ん坊を連れ帰り、朝未(あさまだき)と名付けて大事に育てた。
十四年後、美しく成長した朝未は、長夜を異性として意識し始める。
長夜の方も朝未を、娘とも妹とも思えない。
ある月夜の晩、二人は人界に降りたところを巨大な狼に襲われる。
狼の主人らしき高位の精霊(?)のおかげでことなきを得たが、暫くして長夜は天帝から朝未を差し出すよう命じられる。