f. fluorite


ウテルスを食む君の目が優しくて満たされてゆく胎の脱け殻


どろどろのこころの中を覗いても包んでくれる誰かを待ってる


眠れない夜にはきみを抱きしめて ただぬくもりを食んでいたいの


制服のプリーツスカート翻し何処までも行ける、あなたとならば。


はみ出したマニキュアさえもいとおしい わたしのためと自惚れている


まっすぐに伸びた髪に憧れてきみをなぞれどきみになれない


「あなただけ」「愛しているの」「ほんとうよ」

嘯くきみを呪えないぼく


蝶の翅を引き千切るような無邪気さで心ごと踏み躙って欲しい


雨が窓をひっきりなしに叩くから思い出のグラス砕きたくなる


ひとつずつボタンを外す背徳と きつく編み上げるリボンの恍惚

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