三十一字の恋文

ららしま ゆか

a. aspartame

美しいことのはだけを食んだならきみの心臓抉れるだろうか



ロリィタのパニエの中には永遠の少女の夢と愛が脈打つ



あなたが紅を引いてくれたから嬉しくて微笑って逝ける小指結んで



このいのち尽きるさいごの瞬間にきみの姿を網膜に焼く



靴紐とおんなしようにこの指とあなたの指を蝶に結えたら



シャボン玉そんな儚いものになど例えさせない君への想い



たとえ死がふたりのからだ別つとも死んでも愛して骨まで愛して



夜を泳ぐ星の合間を縫いゆけば鯨の背中にキスできるかな



君のため、なんて詭弁を吐くあなたわたしでなくてあなたの為でしょ



かんかんと鳴る遮断機のその向こう踏み切り越えて君に会えたら




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